ナカシマ的2018年の買って良かったオーディオプラグイン(2018年3月18日時点)

作曲家という仕事柄、監督やクライアントさんに聞いてもらうためのデモをなるべく迅速に、かつちゃんと伝わるように作らなければならないのですが、時短のために様々なソフトを使います。

一時期は専業のミキシングエンジニアさんの真似事をするような実際の機材を模したプラグインエフェクトをよく買っていましたが、選択肢が多くなりすぎてむしろ仕事の判断力を落とす要因になってるような気がして、最近はあまり追いかけないようにしています。なるべく、、、ね(趣味を兼ねている)。

そんな中、「10クリック以内で効果が出るもの」、つまり費用効果が高いものだけはセールとかじゃなくても買おうと決めていたのですが、何故か2018年に入ってからそうした有難いプラグインが続々とリリースされたので、予想外の出費が続いております。せっかくなのでというとおこがましいですが、良い道具を作ってくれる開発者の方々を応援する意味でも、2018年第1四半期におけるナカシマ的「買ってよかったプラグイン」を簡単にご紹介します。


Soundtheory Gullfoss

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エフェクトの種類としてはフルオートダイナミックEQということなんだと思います。とはいえAttackやReleaseといった時間的な挙動を制御するようなパラメーターは一切なく、RECOVERとTAMEという微妙にわかりにくいパラメーターがメインで、それをいい感じになるようポイントを探っているとどんな音源でも大体整った印象にしてしまう魔法のようなエフェクトです。

ほんとこれをデモで試したときの衝撃はすごかったです。生き物みたいにウニョウニョと動くEQカーブの印象とは違って、出音には嘘臭さがほとんどない。iZotopeのNeutronは機械学習から導かれたアルゴリズムで複雑なパラメーターを自動で設定してくれるものですが、このGullfossは開発者いわく「we are not following machine learning trend.」とのこと。解析のために待つこともありません。

じゃあ全チャンネル使えばいいじゃないかという気分に最初はなりますが、それはそれで全部が均一に整えられてしまうと実につまらない。僕はある程度アレンジが終わった曲のマスターに挿して軽く調整するような使い方で愛用しています。あとは、微妙な癖がある音源でどうしても正解が見つからない時にとりあえずかけてみたりします。

だいたいそういう時は耳が疲れていて自分の耳が信用できない状態でもありますから、自然な感じで整えてくれるツールはとりあえずデモを提出するときなんかにとても頼りにしています。

断言します。マストバイです。

https://www.soundtheory.com/home


A.O.M. Sakura Dither

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正直なところ、Ditherの原理はそれなりに理解していたつもりですが、今まではDAWの内部のディザリングアルゴリズムに任せていました。

もっと正直に言えば、このSakura Ditherでさえ最初使ってみた時は効果がよく分からなかったくらいDitherというのは効果が分かりづらいものなんだなと・・・。

DAWのディザーやいろんなマスタリング系リミッターに入っているDitherアルゴリズムなどと厳密に比較試聴していった結果、このSakura Ditherが16bitに書き出した時の音が自然だったので、常に使うようにしています。

個人的な感想としては、0dB付近での音のアタックの微弱な不自然さが薄まるような気がします。とにかく微妙な差です。

書き出し時の最終段に刺すだけで良く、手軽で少し良くなる(これは主観であり好みではありますが)のならば、使わないより使った方がいいなと。今回は「10クリック以内で効果が出るもの」というテーマですので、まさにあてはまるプラグインですね。今の所出動率100%です。

あまり細かいことは気にならない方にはマストバイとまでは言い切れないですけど、書き出すと妙に印象変わって、しかもその結果が気に入らないなあと思った方は試してみてはいかがでしょうか? 

https://aom-factory.jp/ja/products/sakura-dither/


Softube - Weiss MM-1

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これまたとんでもないものが出てきちゃいました。元になった実機であるところのWeiss DS1-MK3はこのプラグインで初めてその存在を知りましたが、100万円近くするとても高価なマスタリング用機材なのですね。

このMM-1はDS1-MK3のアルゴリズムを元にパラメーターなどを絞りつつ、Styleプリセットで挙動を選んでノブを少しいじればかなり自然にレベルを稼ぐことが出来ます。

公式の発表ではコードベースの移植であり、エミュレーションではないというのがデジタルプロセッサーのプラグイン化ならではといったところでしょうか。

このMM-1が出るまでは、Tokyo Dawn LabsのTDR Limiter 6 GEを使ってマスターの音圧調整をしていました。TDR Limiter 6 GE内のバスコンプをパラレルで使ってアタックを残しつつレベルの底上げをしながら、強い高域成分を内部ディエッサーでほんのり叩きつつ全体をリミッターで叩くという処理が一つのプラグイン内で出来るので重宝していました・・・が、そうした処理をもっと簡単操作でできてしまうのがこのMM-1なのです。プリセットを選んでノブをちょちょっと回すだけでなんだかいい感じにできてしまう。フルバージョンであるSoftube版DS1-MK3も細かくいろいろ出来てきっと良いのでしょうが、とにかくいい感じにすばやく仕上げられるツールが欲しいと思っていた僕にはまさにこれというプラグインを出してくれました。ありがとうSoftube!

https://www.mi7.co.jp/products/softube/weissmm1/


まとめ

いかがでしたでしょうか。どれも10クリック以内でいい感じに出来る素晴らしいプラグインだと思います。もちろん出音がすべてですし、この出音が好みではないという方もいると思いますので、まずはデモ版などで試すのが先決ですけれども、長くコンピューターで音楽を作っていても、今もこうした新しい素晴らしいツールにワクワクできるというのは幸せなことだなあとしみじみと感じた次第です。

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みんなで良い音作りましょう!